取締役や監査役は、任期が来るたびに、同じ人が続けて役員になる場合でも重任(再任)の登記が必要です。新しく役員を選任する登記も、就任から2週間以内に申請する必要があります。日中は本業で手が離せない経営者さまが多いため、当事務所では平日の夜や土日祝日の面談にも対応しています。
登記を怠ったまま数年が経っている場合、裁判所からの過料の通知や、みなし解散の登記によって、登記漏れが分かることがあります。
取締役の任期は、原則として選任から2年です(監査役は4年)。非公開会社であれば、定款で最長10年まで伸ばせます。
任期を長くすると、重任登記の回数は減る一方で、任期途中で解任した場合に請求される可能性のある賠償額が大きくなります。正当な理由なく任期の途中で解任すると、その役員は会社に対して、残りの任期分の報酬相当額を含む損害の賠償を請求できます。
また、任期満了後も再任の決議をしないまま役員を続けさせていると、法律上は後任が決まるまで在任が続く扱い(権利義務役員)になります。退任の時期があいまいなまま放置すると、後になって、その間の報酬を請求される、本人は退任したつもりでも登記上は在任のまま残る、といった問題が生じます。親族や知人に名前だけ役員に入ってもらっている場合は、本人の認識と登記上の扱いがずれやすくなります。
取締役が代表者1人だけの会社は、株主総会も実質的にご本人1人で行うため、任期が来たことに気づかないまま過ぎやすくなります。
クラウド会計ソフトの提携サービスや生成AIを活用して設立した会社は、定款の任期を深く考えずに選んでいることが多く、何年で任期が来るのかを把握していない場合があります。ひな形のまま実態とずれている定款も多く見られます。
任期を10年にしている会社は、次の登記まで間が空くため、設立時の定款を紛失していることもあります。また、定款を重要書類だと認識しておらず、設立時から保管されていない場合もあります。
心当たりがある場合は、登記事項証明書(登記簿謄本)で役員の就任日を、定款で任期を確認すると、登記が必要な時期が分かります。定款が見当たらない場合は再作成も承ります。
登記の申請期限(変更が生じた日から2週間)を過ぎても申請はできますが、正当な理由なく登記を怠ると、代表者個人が100万円以下の過料の対象になります。実務上は数万円から十数万円程度で収まることが多いものの、金額に明確な基準はなく、通知が届く時期もまちまちです。
登記の遺漏は、新しい登記を申請した際に法務局から指摘を受ける場合や、金融機関や取引先から最新の登記簿の提出を求められたことで発覚することが多くあります。
最後の登記から12年間、何も登記をしていない株式会社は休眠会社とみなされます。法務大臣の官報公告から2か月以内に届出または登記がなければ、その時点で解散したものとみなされます。法務局からは通知書も届きますが、本店を移転して登記をしていないと通知が届かず、公告自体に気づかないまま期限を迎えてしまうこともあります。
みなし解散の登記から3年以内であれば、株主総会の特別決議により会社を継続することができます。3年を過ぎると継続の手続きはできず、清算手続きに進むことになります。
みなし解散の際、登記簿上は清算株式会社として扱われ、それまでの取締役が清算人(法定清算人)になったものとみなされます。そのため、会社を継続するには、継続の決議に加えて、清算人の登記と、あらためて取締役を選任し、代表取締役を選定する決議と登記が必要です。みなし解散になるまでの間に、実際には役員の交代があったのに登記していなかった場合は、その分の変更登記も、継続の登記に先立って必要になることがあります。
会社継続では複数の登記を決められた順番で申請するため、決議の順番や内容を誤ると、法務局から補正を求められることもあります。みなし解散の登記がされると、登記簿上は解散した会社として扱われます。通知や公告に気づいた時点で、ご相談ください。【ご相談はこちらから】
必要な書類は、会社の機関構成(取締役会を置いているか、監査役を置いているかなど)や、議事録に実印を押印するかなどによって変わります。主なものは次のとおりです。
株主総会議事録
取締役会議事録(取締役会を置いている会社で、代表取締役の選定などを行った場合)
就任承諾書(新しく役員になる方がいる場合)
印鑑証明書(選任または解任の内容によって不要な場合もあります)
辞任届(任期の途中で退任する役員がいる場合)
本人確認書類
同じ「役員変更」でも、これまでの運用(議事録への押印の有無、定款の記載内容)によって、実際にそろえていただく書類が変わります。正確な必要書類は、現在の登記簿謄本と定款を確認したうえでご案内します。
役員変更の登記にかかる登録免許税は、資本金1億円以下の会社で1万円、1億円を超える会社で3万円です。複数の変更(役員変更と本店移転など)をまとめて申請する場合は、登記の種類ごとに税額がかかります。
このほかに、登記簿謄本や印鑑証明書の取得費がかかります。司法書士の報酬は別に発生します。
必要に応じて定款の見直しや再作成も、役員変更の登記とあわせて承ります。
株主総会議事録や取締役会議事録は、クラウドサインなどの電子署名サービスを使って作成することもできます。電子署名法上の要件を満たした電子署名は、実印の押印と同じように本人の意思表示として扱われ、印鑑証明書の取得や書類の郵送にかかる手間を減らせます。特に、役員が複数の拠点に分かれている場合やリモートワークが中心の場合は、押印にかかる手間を減らすことができます。
一方で、登記の添付書類として使えるかどうかは、書類の種類や会社の機関構成、押印する役職によって条件が変わります。すべての書類を電子化できるわけではなく、一部は従来どおり書面と実印での対応が必要になる場合もあります。利用できる範囲や具体的な進め方は、正式にご依頼いただいた際に、会社の状況に合わせてご案内します。
当事務所は、平日の夜や土日祝日も、予約をいただければ面談に対応します。Google Meetでのオンライン相談を中心にしているため、全国どこからでもご相談いただけます。
初回のご相談は無料です。相談が長時間になる場合など、費用が発生するときは事前にお知らせします。見積りをご確認のうえ、正式に依頼される(委任契約を結ぶ)までは、費用はかかりません。
Q. 設立してから一度も役員の登記をしていません。
A. 定款で定めた任期によっては、すでに任期が過ぎている可能性があります。登記簿謄本で役員の就任日を、定款で任期を確認すると、いつ登記が必要だったかが分かります。過去にさかのぼって決議をやり直すことはできないため、現時点で改めて決議を行い、重任または新任の登記をまとめて申請します。
Q. 設立時の定款が見当たりません。
A. 設立を依頼した専門家や、定款を作成したツールのサービスに控えが残っていないかを確認します。見つからない場合は、現在の会社の運営に合わせて定款を作り直すことも承ります。
Q. 過料はどのくらいの金額になりますか。
A. 会社法上は100万円以下ですが、実務では数万円から十数万円程度で収まることが多いようです。登記を怠っていた期間や回数によって変わり、事前に金額をお伝えすることはできません。過料の通知は裁判所から届くもので、当事務所が金額を決めることや、免除することはできません。
Q. みなし解散の通知が届きました。まだ事業を続けています。
A. 官報公告から2か月以内に、事業を廃止していない旨の届出、または必要な登記を行えば、みなし解散を避けられます。すでに登記されてしまった場合でも、3年以内であれば会社継続の手続きが可能です。いずれの場合も、あわせて役員の登記が必要になることが多いため、お早めにご相談ください。
Q. 家族や知人に名前だけ役員になってもらっています。登記はどうなりますか。
A. 実際に業務を行っていなくても、役員として登記されている以上、任期満了時の重任や辞任の手続きは必要です。退任の意思がある場合は、辞任届を作成し、退任の登記を行います。
Q. クラウドサインを使うと、費用は安くなりますか。
A. 印鑑証明書の取得費や郵送費を抑えられる場合がありますが、司法書士の報酬自体が変わるわけではありません。対応できる書類の範囲は会社の状況によって異なるため、個別にご案内します。
本ページの内容は、最終確認日時点の法令に基づいています。
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