代表取締役(社長)が亡くなると、社長個人の相続と、会社の手続きが同時に始まります。2つは別々の手続きですが、社長が持っていた株式を誰が引き継ぐかによって、会社の次の役員を誰が選任するかが決まるため、進める順番を誤ると、遺産分割協議や登記をやり直すことになります。当事務所は、会社の登記と相続の登記の両方を扱っているため、どちらから手をつけるべきかの整理から、登記の申請までをまとめてご依頼いただけます。
特に、取締役が社長1人だけの会社では、次の役員を選任する前に、株式の相続を決める必要があります。
社長が亡くなったときの手続きは、会社として行うものと、ご家族が相続人として行うものに分かれます。会社として行うのは、亡くなった社長の退任と、新しい役員の就任の登記、株主名簿の書き換えです。ご家族が行うのは、社長が持っていた株式の相続、社長個人名義の不動産の相続登記、預貯金などの手続きです。
会社名義の不動産は会社の財産なので、社長が亡くなっても相続登記は必要ありません。一方で、会社が使っている事務所などであっても、社長個人の名義になっている不動産は相続登記の対象になります。会社で使っている不動産がどちらの名義なのか、ご家族が把握していないことも多いため、最初に登記簿で確認します。
新しい代表者が決まるまでの間は、会社を代表して契約や支払いの手続きをする人がいない状態になるため、なるべく早く動き出す必要があります。手続きを担うご家族は平日に仕事をされていることが多く、葬儀の後にも、何度も休みを取る必要があります。当事務所では、平日の夜や土日祝日の面談にも対応しているため、仕事を休まずにご相談いただけます。遠方にお住まいの場合は、オンラインでの面談も選べます。
社長以外にも取締役がいれば、定款の定めに従って新しい代表者を選定し、亡くなった社長の退任と新しい代表者の就任の登記をまとめて申請します。取締役の人数が定款で定めた数を下回る場合は、株主総会で新たに取締役を選任する必要もあります。
役員変更の登記は、変更があった日から2週間以内に申請することになっています。期限を過ぎても申請はできますが、長く放置すると過料の対象になることがあります。登記漏れについては、役員変更登記(就任・再任)と登記漏れの注意点で説明しています。
社長が1人で会社を経営していた場合、社長が亡くなると役員が1人もいなくなります。次の役員を選任する株主総会も、株主が社長本人だった場合は、株式を誰が引き継ぐかを決めるまで開けません。
相続した株式は、遺産の分け方が決まるまで、相続人全員が共同で持っている状態になります。そのため、相続人の間で遺産分割協議を行い、株式を引き継ぐ人を決め、その人が株主として新しい役員を選任し、登記を申請する、という順番で進めます。社長1人の会社では、退任と就任の登記は、新しい役員が決まってからまとめて申請することになります。
相続人の話し合いに時間がかかる場合は、相続人の間で株主としての権利を行使する人を1人決めて、先に役員を選任する方法があります。それも難しい場合は、裁判所に申し立てて、一時的に役員の職務を行う人を選任してもらう方法もあります。当事務所では、裁判所に提出する申立書の作成も承ります。
社長が亡くなった際に影響する定款の定めは、次の2つです。
一つは、相続人から株式を買い取れる定めです。株主が複数いる会社でこの定めがあると、会社は株主総会の決議によって、相続人に株式を売り渡すよう求めることができます。ご家族が株式を引き継いで会社に関わり続けたいと考えていても、他の株主の意向によっては、株式を手放すことになる場合があります。
もう一つは、役員の人数や、代表者の選び方の定めです。定款によって、代表者を取締役の中から選定するのか、株主総会で選定するのかが変わります。
クラウド会計ソフトなどの提携サービスにあるひな形や、生成AIで作成した定款では、これらの定めが相続発生時に適した内容かどうかを、社長自身も把握していないことがあります。定款の作り方については、起業(会社設立)の流れと費用、必要書類でも触れています。定款が見当たらない場合は、再作成も承ります。
会社を解散する場合は、株主総会で解散を決議し、清算人を選任して登記したうえで、官報で債権者に向けた公告を行い、清算が終わった後に清算結了の登記をします。官報での公告には一定の期間が必要なため、完了までに2か月以上かかります。当事務所では、解散から清算結了までの登記も承ります。
方針が決まっていない段階でも、役員がいないまま長く放置すると、登記漏れの過料や、最終的にみなし解散の対象になる可能性があります。早めにご相談ください。
会社の手続きとあわせて、ご家族は社長個人の財産についても相続の手続きを進めます。
社長個人名義の自宅や事務所、土地は、株式の相続と同じ遺産分割協議の中で、誰が引き継ぐかを決めておくと、手続きを一度に進められます。不動産が遠方にある場合や、相続人が各地に分かれている場合の進め方は、住まいと実家が離れている場合の相続登記(大阪・関西と遠方)で説明しています。
預貯金などの金融機関での相続手続きも、当事務所で承ります。株式の評価や相続税の申告は税理士、相続人の間で争いがある場合は弁護士の業務になるため、必要な場合は相談先をご案内します。
役員変更の登記にかかる登録免許税は、資本金1億円以下の会社で1万円、1億円を超える会社で3万円です。株式は登記簿に載らないため、株式の相続そのものに登記の費用はかかりません。
社長個人名義の不動産がある場合は、別に相続登記の実費がかかり、不動産の評価額によって金額が変わります。会社を解散する場合は、解散と清算の登記の登録免許税のほか、官報の掲載料がかかります。このほかに、戸籍や証明書の取得費、郵送費がかかります。
当事務所の報酬は、役員を追加する登記で5万円〜が目安です。株式を引き継ぐ方を確認するための相続人の調査、定款の確認や再作成、不動産の相続登記をあわせて行うかどうかによって変わります。正式なお見積りはご相談時にお渡しします。
当事務所は、平日の夜や土日祝日も、予約をいただければ面談に対応します。Google Meetでのオンライン相談を中心にしているため、全国どこからでもご相談いただけます。
初回のご相談は無料です。相談が長時間になる場合など、費用が発生するときは事前にお知らせします。見積りをご確認のうえ、正式に依頼される(委任契約を結ぶ)までは、費用はかかりません。
Q. 社長が亡くなりました。会社の登記はいつまでに必要ですか。
A. 役員変更の登記は、変更があった日から2週間以内に申請することになっています。他に取締役がいる会社では、この期限を目安に進めます。取締役が社長1人だった会社では、株式の相続と新しい役員の選任を先に行い、退任と就任の登記をまとめて申請します。
Q. 取締役は亡くなった社長1人だけでした。誰が次の役員を決めますか。
A. 株主が株主総会で決めます。社長が株式を持っていた場合は、その株式を相続した人が株主として役員を選任することになるため、まず相続人の間で株式を誰が引き継ぐかを決めます。
Q. 家族は会社の経営に関わっていませんでした。何から始めればいいですか。
A. 会社の登記事項証明書(登記簿謄本)と定款で、役員と会社のルールを確認します。株主が誰かは、会社が保管している株主名簿のほか、決算の際に税務署へ提出している書類で確認できることもあります。書類の場所が分からない場合も、面談で状況を伺いながら整理します。
Q. 会社名義の不動産も相続登記が必要ですか。
A. 必要ありません。会社名義の不動産は会社の財産なので、社長が亡くなっても名義は変わりません。社長個人の名義になっている不動産は、相続登記が必要です。
Q. 会社を解散することにしました。手続きを依頼できますか。
A. 承ります。解散と清算人の登記、官報での公告を経て、清算結了の登記まで行います。公告の期間が必要なため、完了までに2か月以上かかります。
本ページの内容は、最終確認日時点の法令に基づいています。
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